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2005/01/29

ここから先チラシの裏です。手前勝手な独白など読みたくないという人は読まないでください。
しかも内容は物凄く長いわりには「言い訳」「愚痴」の大群ですから、そういうものがイライラするタイプの人は素直に無視してくださったほうがいいと思います。









少し疲れました。

こちらの記事がとても今の気分を代弁してくれていますので紹介しておきます。
(あー、トラックバックしたいなー。何かblogツール入れたほうがいいのかなー…)

自分のスタンスは先述の記事「著作権に対する5つの態度」で言えば3です。「著作権を守りつつ、他者の利用を柔軟にしようとするクリコモ/コピーレフト派」。 ここがもう一歩踏み込んで「パブリックドメイン」とまで行けないのが自分の浅ましさであり、弱さであり、醜い部分なのだと自覚しています。


「携帯動画変換君」ですが、おそらくちょっと詳しい人が中身を見ると感じるであろう「なんだ中身は大したことないな」という印象の、数十倍、いや数百倍の 手間と労力がかかっています。さりげなく公開されているffmpegのパッチのうち、ちょっと数値が書き換えてあるような修正。その「数値」を見つけるまでに いったいどれだけの手間がかかっているか。またそれ以前に、「ffmpeg→QuickTime→ATOM修正」という流れで非常に互換性の高い動画を作ることができる、という 結論に達するまでにどれだけの試行錯誤があったか。
そう、たとえば、ffmpeg単体で生成した動画は、「40分以上のものに限り特定の携帯電話で再生できない」ものに なったりするのです。それを確認するのに、「40分以上」の動画のエンコードを、設定やツールをとっかえひっかえ、何回繰り返したと思いますか?

また、とてもそっけない「変換君」のユーザインタフェースについても、きちんと特定の目的があってその設計になっています。自分が考える「モバイル動画の楽しみ方」 (これは数年前からずっと自分で実践している中で到達した結論でもあります)に、「最適な利用方法」で使うと最も使い勝手が良くなるよう、必要な機能の取捨選択を 行っています。そのために不要な機能はいかに簡単でも載せないし、必要な機能はどんなに面倒でも実装しています。見た目は初代からほとんど変わっていませんが、 GUIの部分だってあれで裏ではプロセス間通信やらOLEドラッグ&ドロップやらと、(まぁそれでも高が知れてはいますが)見た目以上に面倒な処理をやっているのです。

…で、何がいいたいかといいますと。

「携帯動画変換君」は、かなり手間ひまをかけた、それなりに思い入れのあるプログラムだということです。
メインコンポーネントであるffmpegは、もちろんGPLですから私が変更した部分も含め自由に利用できますし、その点に関しては一点の曇りも無く私の労力を提供する意思があります。 「変換君」でいくら手間をかけたといっても、ffmpeg自体のコードにかかっている手間からしたら微々たるものです。その流れで私のコードも役に立てるのであればそれは 喜ばしいことだと思います。(本家にfeedbackしたいなとは思うのですが自分の英語力を考えると躊躇ってしまうのもまた自分の悪いところです)

が、ですね。

先に書いた通り私も人の子というか弱い人間ですから、自分が満足するまでは、少しだけ「変換君」にかけた労力を、その労力に対する評価を、自分のものにしたいのです。 これはもう完全に自分のエゴです。でも、この3ヶ月以上の間、自分のプライベートな時間のほとんどを費やしているのです、それくらいは許してほしい。 ですから、ffmpeg以外のコンポーネント(QT3GPPFlatten, ATOMChanger)についてはフリーラインセンスとはしていないのです。

その一方で「自分が調べたことを公に還元したい」という気持ちも残っています。ので、技術的な質問や利用したいというオファーをいただいた場合はなるべく積極的に、 自分にできる範囲で協力することにしています。基本的に「聞かれればなんでも答える」というポリシーで、「自分の権利は権利として確保しつつ、同様に労力を かけようという人にはなるべく労力が少なくなるように」というやり方でやってきましたし、その結果成果もできて きたりしているようです。これはこれで非常に嬉しいものです。



しかし。


しかし、この「自分が調べたことを公に還元したい」というのは、あくまでも同様の(試行錯誤の)労力を注ぎ込もうという人に対して、助けになりたいという 性質のものです。冒頭にリンクさせていただいた記事をひととおり読んでいただくと私の言いたいことがわかっていただけるとは思うのですが、 決して「楽をするために」「人の努力の成果にただ乗りするために」使おうという人に対してまで奉仕するつもりは私は全くないのです。
(※これはあくまでも開発者としての視点の話で、利用者の方はどんどん「楽をして」構わないんですよ)


先日、「PSPの動画を作れる」という触れ込みのあるWindows向け変換ツールがリリースされました。実際PSP対応の動画を生成するのは真面目に解析すればそれほど 難しくはないので、早晩出てくるとは思っていましたから(既にCVS上のffmpegはPSP出力モードを持ってますし:-))へぇ、出たんだ、くらいに思っていたのです。
が、どうも様子がおかしい。「中身の処理は変換君と同じもの」という評価が聞こえてきます。…え?

早速ダウンロードしてみると、なんと私が作ったQT3GPPFlatten,ATOMChangerが、設定ファイルもそのままで丸ごとエンジンとしてコピーされています
私はこのような使われ方をされると聞いたことは一度もありませんし、もちろんこの「作者」から提案を受けたこともありません。そして、そのツールのREADMEには
【著 作 権】本ソフトウェア、ならびに本ソフトウェアに関係するすべての ファイルの著作権は■■■■■■■■■■に帰属します。再配布は 禁止です。
などと書いてあります。
このツールの配布サイトから当サイトへのリンクがあるわけでもなく、謝辞があるわけでもなく。インストール完了後インストールフォルダの奥底を見れば全く名前が書いてない わけではないものの、一般のユーザから見える範囲では完全にエンジンはこの「作者」が作ったものにしか見えません
繰り返しますが、そのエンジン部分は丸々私が手塩にかけて作ったもの、そしてフリーソフトウェアライセンスではないものが、無断でコピーされているのです。

腹が立ちましたし、情けなかった。そして悲しかった。どうしてこういうことができるのだろうと。私の労力は何だったのだろうと。

悲しい気分で、抗議のメールを書きました。私がきちんとライセンスとしてそういう利用方法を不可であると定義しなかったのがいけなかったのか、ただ勘違いしていただけである のではないかと一抹の希望を持ちながら。しかしそうだとしても無断でこのような「ただ乗り」を許すつもりはありませんので、抗議とともに、削除することを要求し、そして
私は、あなたのソフトウェアに私の著作物を同梱することを許諾しません。
とはっきりと伝えました。また、こうも伝えました。
事前に、こういったことに使いたいから許可をもらえないか、という相談があ れば話は変わっていたかもしれませんが、このような形で私から連絡すること になったのは大変に残念なことです。
悩み悩んで書いたメールだったので、送ったのは午前3時過ぎになってしまいましたが、30分後には相手から返信がありました。いわく、お詫びします、削除します、ホームページは 閉鎖しました、Vectorからの削除には時間がかかりますがよろしいですか。ReadMeは以前のバージョンと同じものを使っていて著作権のところを修正するのを忘れていました。どうも、すいません。

確かにホームページは閉鎖されました。
Vectorは「理由あって」という曖昧な理由だけ掲示され以前のバージョンに戻されました。

しかし、私の言いたいことはわかってもらえたのだろうか?という不安は残りました。私は、ただ「競合製品(?)を潰すために難癖をつけている」わけではないのです。 人の労力に対してただ乗りし、自分の手柄にするような真似はやめてほしい。そういう「だまし討ち」をした貴方には私の労力を提供しない、自分で認められるような 努力を払ってほしい。
わかってもらえたのかなぁ、という不安を抱えながら定期的にその後の動向はチェックしていました。



数日後、閉鎖したはずのホームページが復活していました。

まぁ、私のプログラムが含まれていないコンテンツには私は口を出す権限などありませんので(実際「ホームページを閉鎖してほしい」とまでは思っていませんでした) 復活したことは喜ばしいこととして眺めていました。ただ、「閉鎖した」と宣言した私に何も連絡がなかったことは疑問には感じましたが。






そして2週間後、「削除した」はずの(QT3GPPFlatten,ATOMChangerが含まれる)ツールの公開が再開されました。






さすがにREADMEに私の著作権表示が追加されたようですが(そんなことは利用条件に関係ないことはご理解いただけると思いますが)相変わらず私に対して連絡は一切ありません。

抗議のメールを書きましたが、今度は返事もいただけないようです。
その「作者」は、今でも「サポート掲示板」で「次バージョン」の話などをしながら「サポート」を続けています。\




…と、悩みながら書いている間に、「最新版が完成するまで現在のバージョンの公開を停止」すると書き換わってますね。どんな「最新版」になるのでしょうか。







2005/01/09

OSバージョン
ペアレンタルロック(1)
ペアレンタルロック(2)
リージョンロック

おお、見たことのない画面が続々と…
なるほど、確かに一定のリージョンコード機構は実装してあるみたいですね。













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