KETACLOCK - 桁ごとに独立した時計 bookmark
桁ごとに独立した時計。それは、レイアウトだけでなく「時刻を表示する」フォーマットそのものですら完全に自由になることを意味します。どこに「時」を置くのか。どこに「分」を置くのか。いや、そもそも「分」の表示は要らないかもしれない。そんなことさえ考えさせられる自由度がそこにあります。
何を、どこに、どのように示すのか。
そのすべてを操れるようになったとき、あたらしく見えてくるものがあるかもしれません。
開発の経緯 bookmark
2004年~2005年ころ(正確な年月は失念)、なにげない雑談の中からアイデアが生まれました。「完全に'桁'ごとに分離した時計」。シンプルなアイデアでしたが、その時に出たプロットは以下のようなものでした。
- 数字(桁)ひとつ単位で店で売られているイメージ
- とりあえず4個買ってくれば「時・分」の表示ができる
- 当然数字(桁)ごとにバラバラなので、配置は自由自在
- 秒も表示したくなったら後から「秒」用の数字(桁)を買い足せばいい。「お金がたまったから今月は一桁買うんだ!」とかいう会話があったらおもしろい。
- 大きさの違う数字(桁)などのバリエーションも用意すれば、無限のカスタマイズが可能
ほかにも「あらかじめ桁の位置が決めうちで設定された状態で売られていて、『秒の10の位が欲しかったのに売り切れじゃん!』とかなったらハタ迷惑だけどおもしろいな」とかいろいろ馬鹿話はしていました。
当初はLEDの自発光でアクリルの箱状の「桁」をつくって並べる形状を想定していました。これは後から(というよりKETACLOCKの開発がほぼ終わった頃)知ったのですが、まんまJonas DamonのNumbers Clockですね。まさしくこの雰囲気をイメージしつつ、このような「時計としてまとまったひとつの商品」ではなく、あくまでも桁単位で完全に分離した商品として並んだらおもしろいよね、というイメージでした。デジタル時計のモジュール化と言ったらいいのでしょうか。
しかし、アイデアを思いついたところまでは良かったのですが、「きれいに」実現しようと思うと意外とハードルが高い…ということに気づかされるのにも時間はかかりませんでした。電源容量であったり、各数字間の同期の取り方であったり、部品のコストであったり。現実に設計を思い描くと思ったよりも実現への道は遠そうなのでした。
そんなこんなでぼんやりといろいろな設計を考えながら数年が経ってしまい、もう(当初アイデア出しをした雑談相手の)誰もがその存在を忘れてしまったころ、ようやく形になってきたのがこのKETACLOCKなのです。LEDはあきらめ液晶にする、などいくつかの妥協は加えましたが、なんとかそれっぽくまとまりつつあります。
プロジェクト現状 bookmark
2008/06/24 Update
- KETACLOCKサーバ(時間情報送信機)
基板完成、ファームウェア完成
- KETACLOCKクライアント(桁表示ユニット)
基板完成、外装ほぼ決定、ファームウェア完成
動画で見るKETACLOCK bookmark
「一桁足りない」状態から桁の追加、そして時刻設定動作までのウォークスルー。分の表示を連続で送っている間、秒表示がちらちらしているのは現在のバージョンでは既に直っています。
液晶のドットが点いたり消えたりしているのは、点灯:同期信号受信待機、または時刻設定中 点滅:同期中(自己クロック誤差修正中) 消灯:同期完了を意味しています。
また、このムービーの壁の下には、
と、(仮組ではありますが)実際には時刻送出サーバがあります。これはもうちょっと見た目マシにしたいですが。
そしてサーバの基板の右下に見える赤いボタン2個が、時刻修正用ボタンです。(よくあるSET/ADJの操作で修正します)
その他写真集 bookmark
今後、開発進展次第随時追記していきます bookmark
また、リアルタイムの最新情報はMobileHackerz再起動日記に掲載しています。